2次方程式の解の公式は習いましたよね?実は3次方程式、4次方程式までは代数的な解の公式が存在します。ところが、一般の5次以上の方程式には、代数的な解の公式が存在しないことが知られています。「代数的な解の公式」「存在しないことが分かる」とはどういうことでしょうか?これは代数学のガロア理論を学ぶことでわかります。また、右の図は正二十面体ですが、この幾何学的な対称性が代数学を用いて説明できます。数と式に関する代数学の概念が、図形の分類につながっているのは不思議な気がしませんか? 授業では、2年次以降、純粋数学の3つの柱でもある代数(数と式)?幾何(図形)?解析(微分や積分)を中心に学びます。 純粋数学の3つの柱を学んだ後、3、4年次では数学特別演習や卒業研究と高度な数学を学ぶ授業/研究へと進みます。数学特別演習や卒業研究では自分自身でテーマを設定し、数学のみならず理学全体の背景を理解します。発表を通じて他者と内容を共有?検討することで、自分自身の考えが論理的に正しく整理されていくプロセスを体感できることでしょう。 本プログラムでは、カリキュラムを学ぶことによって、専門的な知識を活かした職業(教育系、金融、官公庁、IT系)に就くことができます。企業で数学が必要なの?と思う方もいる 数学プログラムで体系的に学んでいくとみえてくるトピックスをいくつか紹介しておきましょう。 式を見てください。上側は1=1/1+1/3-1/2+…であり、下側は2=1/1+1/3+1/5+…となっていますね。実はそれぞれ右辺に登場する数は同じで、順番だけを変えたものです。ところが、収束する値は異なるという奇妙なことが起こります。さらに、右辺の項を並べ替えることで、任意の値に収束させることもできます。皆さんが高校数学で感じている収束のイメージとはかなり違うのではないでしょうか?この理由を深く学ぶこともできます。 図(d)は高木曲線と呼ばれる関数のグラフです。この関数は、図(a)、(b)、(c)、(d)のようにある操作を無限回繰り返すことで定まります。この関数にはいくつか面白い特徴があります。まずこの関数はどの点でも連続ですが、どの点でも微分不可能であることが知られています。次に曲線の長さに対応するものは無限大となります。ところが、囲まれる面積(曲線とx=0とx=1とy=0で囲まれる青い領域)は有限となります。これらの特徴は皆さんよく知る関数のイメージとは違うのではないでしょうか?このような関数を研究するには、大学で学ぶ「厳密な」解析学が必要です。かもしれませんが、現在いくつもの企業から幅広い知識を持った人材が求められています。数学は具体と抽象を横断的に学ぶ学問であり、「問題をどのように解いたらよいか」ということは数学のみならず企業でも求められていることなのです。プログラム紹介/数学プログラム授業風景08カリキュラム研究紹介
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