言葉のAIで大雪の交通渋滞を予測する最前線
「大規模言語モデル(LLM)」と聞いて何を思い浮かべますか?おそらくChatGPTのような「文章を作るAI」を想像するでしょう。しかし今、この「言葉のAI」を使って大雪時の交通障害を予測するという、珍しい研究を行っています。
富山県のような雪国では、突然の大雪で車が立ち往生し、街の機能がストップしてしまう深刻な地域課題があります。もし「この道で車が動けなくなる」と事前に予測できれば、除雪のタイミングを早めたり、ドライバーに迂回を促したりして大パニックを防ぐことができます。 気象情報や交通量、道路の幅といった性質の違うデータを「文章」としてLLMに読み込ませる手法を開発しています。我々の生活で身近な一般道では、うまく観測ができず、データが欠損しがちです。従来の予測モデルはこれが苦手でしたが、LLMは前後の文脈から状況を推測し、データが欠けていても柔軟に未来の交通状況を予測できる強みがあるのです。
現在、富山市内で検証を行っており、1時間後の大雪時の速度予測において、誤差約10km/hという実用に近づく制度が実現できました。今後はさらに研究を進め、より長い時間の予測を行うことを目指しています。また、予測精度をさらに向上させるため、SNSに投稿された雪景色の写真などをLLMに読み込ませる計画も進んでいます。文字だけでなく画像など、多種多様なデータを柔軟に読み込ませられるのも、LLMを使う大きなメリットです。 「世界最先端のAI技術を使って、目の前にある地域課題を解決する」。これこそが、大学での研究の最大の醍醐味です。教科書の知識を飛び越え、自分のアイデアで社会を救う。そんな挑戦を、ぜひ富山大学で一緒に楽しみましょう!

猪井 博登 先生



